認知症になった親の不動産を売却したい!その手順や方法は?
親が認知症になってしまうと、判断能力がなくなってしまうため不動産の売却が困難になります。
しかし不動産の管理が難しい場合や介護費用の捻出のために不動産の売却が必要になることも多いです。
今回は不動産の売却を検討されている方に向けて、認知症となった親の所有する不動産の売却の手順についてご紹介します。
認知症になった親の不動産は売却できる?成年後見制度とは?
認知症になった親の代わりに子どもが不動産を売却するには成年後見制度を利用します。
成年後見制度とは認知症などで判断能力が衰えている人のために後見人を立てて財産を守る制度です。
成年後見制度には2種類あり、法定後見制度と任意後見制度があります。
任意後見制度は将来の備えとして後見人を選んでおく制度ですので、今回のテーマのように認知症になってしまったあとの対処としては法定後見制度が適当です。
法定後見制度は家族や親族などの申し立てによって利用でき、家庭裁判所が後見人を選出します。
つまり、必ずしも息子や娘が選ばれるわけではありません。
むしろ財産をめぐる争いを避けるために近年では親族以外が選ばれることが多くなっています。
認知症の進行具合によって後見人の種類も後見、補佐、補助に分類されており、後見人に与えられる権利の範囲が異なります。
認知症になった親の不動産は売却できる?売却の手順は?
次に成年後見制度を利用して不動産を売却する手順についてご説明します。
まず本人以外の家族や親族が家庭裁判所に成年後見制度の申し立てします。
成年後見制度を利用できるのかについて、場合によっては医師による認知症の診断も必要になります。
次に後見人が選出されますが、選出には約2ヶ月かかります。
そして不動産の売却にも家庭裁判所の許可が必要です。
たとえ親族が後見人に選ばれたとしても「なぜ売却が必要なのか」その妥当性が認められなければ売却は不可能です。
無事許可が降りて売却活動を開始すれば、通常の不動産売却と同様の手順になります。
売却で得た現金はたとえ管理するのが息子や娘などの後見人であっても、本人の口座に振り込む必要があります。
親の不動産を売却して得た代金はあくまでも親の財産であるので、子どもの口座に振り込むことは横領にあたります。