住宅ローンの繰り上げ返済にはどんな種類がある?メリットや行うタイミング
住宅ローンの繰り上げ返済ができそうなお金が貯まってきた、というのは喜ばしいことですが、繰り上げ返済で後悔や失敗をしないためには、繰り上げ返済のことについてある程度事前に知っておくことが大切です。
今回は住宅ローンの繰り上げ返済の種類を説明したうえで、繰り上げ返済のおすすめのタイミングや繰り上げ返済のメリット、注意点などについても解説します。
住宅ローンの繰り上げ返済の種類は返済期間短縮型と返済額軽減型の2種類
住宅ローンの繰り上げ返済には、返済期間短縮型と返済額軽減型の2種類があります。
それぞれの概要は以下のとおりです。
●返済期間短縮型:繰り上げ返済しても毎月の返済額はそのままだが、返済期間が短くなり、住宅ローンを早く終えることができるタイプの繰り上げ返済
●返済額軽減型:繰り上げ返済しても住宅ローンの期間は短くなることなくそのままだが、毎月の住宅ローン返済額を引き下げることができるタイプの繰り上げ返済
「住宅ローンを早く完済することを優先したい」という人には返済期間短縮型が、「毎月の返済負担を楽にしたい」という人には返済額軽減型が向いているといえます。
住宅ローンの繰り上げ返済をするおすすめのタイミングはいつ?
住宅ローンの繰り上げ返済は「繰り上げ返済できるだけのお金が用立てられたらできるだけ早いほうがいい」と考える人も多いですが、住宅ローン控除を受けている人はタイミングを見計らう必要があります。
なぜなら、住宅ローン控除の最大控除額は「年末時の住宅ローン残高の1%」となっているからです。
年明け早々の繰り上げ返済、これが住宅ローン控除額で一番損をしないおすすめのタイミングです。
繰り上げ返済は返済期間短縮型にしても返済額軽減型にしても、住宅ローン残高が減るため「住宅ローンの利息の支払い総額が減る」「返済期間短縮型は住宅ローンの終わりが早くなって安心感が得られる」「返済額軽減型は毎月の返済額が減って生活が楽になる」などというメリットがありますが、注意すべき点もあります。
まず、繰り上げ返済に使ってしまったお金は、当たり前の話ですがもう取り戻すことはできません。
「また毎月の返済額を元通りに戻していいから繰り上げ返済した分を返してほしい」といっても対応してもらえませんので、あくまで繰り上げ返済は「返済金として使いきっても大丈夫な余裕資金」でやるべきです。
また、金融機関によっては繰り上げ返済手数料がかかりますので、この点も注意が必要です。
あと、金利1%よりも低い住宅ローンを借りている場合、住宅ローン控除期間中は繰り上げ返済よりも住宅ローン控除のほうがお得になる可能性が高いです。
この場合は住宅ローン控除期間が終わるまでコツコツ繰り上げ返済用資金を貯めて、ローン控除期間が終わったら一気にまとめて繰り上げ返済するといいでしょう。