不動産相続をするなら知っておいて損はない!名寄帳とは?
今回は、不動産相続をする予定がある方にぜひ知っておいてもらいたい「名寄帳」についてお話しします。
名寄帳とは何なのか、その概要をまず解説したうえで、名寄帳を取得することにどんなメリットがあるのか、また名寄帳の取得方法についても解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
名寄帳とは何?不動産相続とどんな関係がある存在なの?
名寄帳とは、市区町村が作成している「固定資産課税台帳」の内容を所有者ごとにまとめたもの。
この名寄帳が不動産相続とどんな関係があるのかというと、名寄帳は「被相続人(亡くなった方)が同じ市区町村内で複数の不動産を所有していた場合、それを一覧で確認することができる」という形で、遺産の内容確認の手段のひとつとして使えるのです。
そんな名寄帳の最大の特徴は「固定資産税の課税対象外となっている不動産や、登記簿に未記載の不動産であっても名寄帳には掲載されている」ということですよ。
不動産相続の際に名寄帳を取得することのメリットと取得方法
同じ市区町村内であれば、固定資産税課税対象外の不動産や登記簿に未記載の不動産も掲載されている名寄帳。
そんな名寄帳を取得することには「相続人が存在すら知らないかもしれない不動産の存在に気付ける可能性がある」という大きなメリットがあります。
だからこそ「被相続人は絶対にこの不動産以外はいかなる不動産も所有していない」と断言できるような状況でないかぎりは、名寄帳を取得しておくことをおすすめします。
名寄帳の取得方法は「市町村役場の固定資産税を取り扱う窓口に所定の書類を揃えて申請する」という形になります。
申請のためには、申請書だけでなく申請者と被相続人との関係がわかる戸籍謄本や、被相続人の除籍謄本、さらに申請者の本人確認書類なども必要ですよ。
固定資産税を取り扱う窓口まで行くことが難しい場合は郵送で申請することも可能ですが、この場合は申請手数料や手続き方法の確認もかねて、必ず市区町村の固定資産税取り扱い部署に事前確認をしてから郵送申請をするよう心がけましょう。
ただし、名寄帳はあくまで市区町村ごとの不動産情報をまとめたものですから「他の市区町村に不動産があってもそれは記載されない」という大きな注意点があります。
また、名寄帳の内容は毎年1月1日時点の情報が掲載されるため、被相続人がその年に不動産の取得や売却をしていた場合、その情報までは得られないという点も注意が必要です。
そして残念ながら、市区町村によっては名寄帳を取得できないところもありますので、名寄帳の申請をする前に「名寄帳の申請自体がその市区町村でできるのか」という点を先に問い合わせておくことをおすすめします。