不動産の遺留分を相続するには?評価額の決め方と決まらないときの対処法
法定相続人は、たとえ遺言書に指定されていなくとも、民法に基づき最低限の遺産を相続する権利が認められています。
これを「遺留分制度」といい、「遺留分」とはその相続人の最低限の取り分を示します。
ただし、この遺留分は請求しなければもらえないという点に注意が必要です。
そこで今回は、不動産の遺留分を相続するための不動産評価額の決め方と、決まらな場合の対処法を解説します。
遺留分制度とは?不動産の遺留分を相続する方法
まず、遺留分制度について理解を深めておきましょう。
遺留分制度とは
被相続人は、自身の財産の分配について遺言により自由に指定することができます。
しかし、民法に定められた遺留分権利者(被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人)においては、その生活保障を図るなどの観点から、最低限の相続分を保障する遺留分制度があります。
そのため、遺留分権利者は被相続人の遺言で相続財産をゼロとされたとしても、民法で定められた取得割合までの遺産を相続できるのです。
取得割合とは
遺留分の取得割合は、直系尊属(父母・祖父母)のみが相続人の場合は遺産全体の3分の1を相続人で分け、配偶者や子どもがいれば遺産の2分の1を分けることとなります。
例えば子ども2人が相続人の場合、法定相続分はそれぞれ1/2なので、遺留分である遺産全体の1/2を、さらに1/2づつ分けることとなります。
不動産の遺留分を相続するための不動産評価額の決め方
不動産の遺留分を算定するための不動産評価額は相続開始時の価格を基準としますが、不動産の価格は常に変動するうえ、数種類の価格指標があるため注意が必要です。
不動産の評価は、次の4つの指標からいずれかを用いて調べます。
1.固定資産税評価額
固定資産税評価額は、固定資産税の課税額を算出するために用いられる不動産の評価額です。
2.路線価
路線価は、相続税や贈与税の課税額を算出するために用いられる基準です。
3.地価公示価格
国土交通省が毎年公表している地価公示価格は、基準値と呼ばれる土地の地価です。
4.実勢価格
実勢価格とは、実際に取り引きされた不動産価格を指します。
どの価格指標を用いて遺留分の不動産評価額とするかは、相続人同士で話し合って決める必要があります。
全員が同意した方法で、遺留分を計算しましょう。
遺留分の不動産評価額が決まらない場合の対処法
用いる評価方法により遺留分の不動産評価額が異なるため、話し合いで決まらないケースもあります。
もし決まらない場合は、最終的に裁判所が証拠から評価額の認定をすることになります。
ただし、裁判所から不動産鑑定を求められた場合には、不動産鑑定士に鑑定を依頼することになり、鑑定には約30~40万円程度の費用がかかるため注意が必要です。
もし裁判をせずに遺留分を決定したいというのであれば、弁護士に相談すると良いでしょう。
弁護士にほかの相続人との交渉を任せることで、裁判をせずに評価額の折り合いがつくこともあります。
まとめ
遺留分は、法定相続人に与えられた権利ですが、請求しなければ受け取ることはできません。
また、不動産の評価方法によって遺留分の不動産評価額も大きく変わる可能性があるため注意が必要です。
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